シムシティ3000 教師用ガイド

SimLaboが頑張って翻訳したSimCity3000 Teacher's Guide。その歴史は2000からという話もある。
SimCityを教室に利用することがあるというアメリカで公開されているガイドを研究しながら、
日本にあった物はどういうものかを追求し、実施できればいいかな、と思います。

SimCity3000 Teacher's Guide(シムシティ3000教師用ガイド)について
 SimCityを教室に使うことを前提としたシミュレーション教育のガイドです。著者はSimSafariやSimParkのガイドも書いたMargy Kuntzさんです。この中にはSimCity 3000を使いながら行うシミュレーション教育の例・応用法が載っています。内容の全ては説明できませんので、興味がある方はこちらからガイドをダウンロードしてご覧下さい。

 ここでは簡単に(といっても長いですが)ガイドの説明をします。

 彼女は本文の中で目標とシミュレーションの教育性について述べています。(以下の項目「・・・」内はすべてガイドからの引用)
◆目標
 「教育ソフトの提供者として、我々の第一の目標は、それらのシステムをプレイする方法を教えることで、人々がこの複雑な都市システムの理解を深めることを手助けすることです。そのために我々は、ゲームという形で様々な情報を提供します。そしてそれは教育と学習をいっそう楽しいものにするでしょう。
 SimCity 3000(やその他のシミュレーション)を使うことにおいて、我々の最大の目的は、シミュレーションを越えて見ること・・・すなわちSimCity 3000から得た知識を実世界に反映することを手助けすることなのです。・・・(中略)・・・多くの部分で「抽象的すぎるものだ」と考えられてきたものに取り込むことや、一般的によく知られていない活動をする機会を生徒達に与えることで、彼らが都市や都市経営のことについて学ぶだけではなく実世界の微妙な固有のバランスの認識やそのための感性を発達させることを我々は望むのです。」
 あくまでもシミュレーションはシミュレーションであり、シミュレーションを利用することによって得る「何か」を目的としているという点が重要なのです。また、シミュレーションとして常に抱える問題、シミュレーションの限界も本文の中で述べております。

◆シミュレーションの教育性
 「シミュレーションはただの知識の獲得よりも、むしろ行動・やる気といったものをもたらします。なぜならシミュレーションならば学生達は、結果ではなく過程を学ぶことができるからなのです。そうすればシミュレーションで学生達は新しいアイディアを見つけて、それを試すようになります。それは、単に事実と原則の組み合わせについて学ぶよりもむしろ、ある状況に応じて原則が適用されたときに何が起こるのかを発見する事になるでしょう。この学習のプロセスにおいて学生達は活動的で頼もしい参加者になるでしょう。
  • シミュレーションは、丸暗記の学習よりもむしろ想像力に富む考えを促して、そしてそれを必要とするようになります。
  • シミュレーションは生徒達に自らが決定するという経験を与え、そしてその結果を自分で素早く知ることができます。
  • 学生達はシミュレーションで、他の人がしたことを読むただの傍観者ではなく、むしろ自分自身が仮説を立て、それに従うように行動する探求者になることができます。
  • 学習が教師中心のものから、学生中心のものになります。
  • シミュレーションは、調査プロセスが累積的で、絶えず広がっていると想定するときに特に有効であります。
  • SimCity 3000のようなシミュレーションは、学際的な学習を適切に容易なものにします。」
 というようにシミュレーションの教育性について述べています。これはゲーミングシミュレーション(シミュレーション&ゲーミング)として研究されている所も大いに絡んでいるのです。

 本文を読むのが一番早いのですが、長いので簡単に。他にもPart1(1章に当たる)ではシミュレーションの限界、教室で使う場合の導入方法(個別でやるとかグループでやるとか)や活用方法が紹介されています(Part2では実際に行う活動の例が14個用意してあります)。どうです、結構素晴らしいものじゃありませんか?使ってみたいと思いませんか?SimLaboは使ってみたいのです(笑)。
 なにやら難しそう・・・大変そう・・・と思われるかもしれません。実際すぐに使えるというわけではありません。対象年齢が12歳以上になっている、アメリカならではの所がある、という問題は確かにあります。だけど大丈夫です、そういう危惧や疑問を解決するためにSimLaboはあるのです。さぁ皆さん協力してください(強制みたいになってきたなぁ)。


教師用ガイドのダウンロード
 注意書きを良く読んでからダウンロードしてください。一太郎とリッチテキスト版を公開してみました
文書形式 拡張子 無圧縮 圧縮 編集加工 サイズ 普及率
Word文書 (*.doc) 853KB
Microsoft Word 97/98、2000対応。英語版も同じフォーマット。
一太郎文書 (*.jtd) 682KB
JUSTSYSTEM 一太郎 ver.9、10対応。日本にはこれがあります。
リッチテキスト (*.rtf) 608KB
一般的なパソコンワープロソフトほとんど。画像は別ファイルとして添付しています。
PDF (*.pdf) 619KB ×
Adobe Acrobat Reader 4.0対応。見ることしかできません。

 【注】
  • ダウンロードしたいファイル(ファイルサイズが書いてある数字)をクリックしてください。PDFの無圧縮以外は基本的にダウンロードになりますので、Windowsならば右クリックで「保存する」をクリックして、指定した場所に保存しましょう。
  • 圧縮形式はlzh形式(Lh5)です。zip形式や他の圧縮形式を望まれる方はご連絡下さい。また、lzh解凍(lha)ツールはVectorや窓の杜にて手に入れるようにしてください。
  • PDF以外は加工編集が出来るので、実際に利用なされる場合はそちらをご利用下さい。読むこと、印刷する(ただし50ページ以上ある)を前提とするならばPDFファイルがオススメです。
  • リッチテキスト(RTF)版は圧縮のみ提供となります。理由は画像ファイルが文書の中に組み込まれておらず、ファイル総数が23個だからです。解凍するとファイルが展開するので、フォルダを用意してから解凍してください。
  • 誤植・誤訳についてはお知らせ下さい。出来る限り訂正いたします
  • 文書はフリーダウンロードですが、著作権はElectronic ArtsTM、エレクトロニックアーツ・スクウェア、Margy Kuntzが有します。本文2ページ目(目次)下部の説明にも必ず目を通すようにしてください。

 Word文書や一太郎文書版には見出し、PDFにはしおりが出来ればそのうちにつけたいな、と思っております。


SimCity3000 Teacher's Guideの翻訳について
 翻訳は都市シミュレーション学研究会の会員の手によって行われました。その苦労については研究会議事録(18〜25)をよろしければご覧下さい。
 翻訳に協力してくれた有志は、コンちゃん、舟さん、ikm-244、tkiyoto、mkone(おやつ担当)の5人です。各自家でやってきたりしながら研究会にて翻訳精度を高めながら、その教材自体の研究も行いました。完成したのは12月で、エレクトロニックアーツ・スクウェアに提出して、2月28日に公開されました。

 ちなみに研究会が翻訳した理由は以下の3つ
  1. SimCityを教育に利用できるなら他の人にも使ってもらいたいから。
  2. SimCityを教材としたテキストに、いったいどのようなことが書いてあるのか、どれほどのものなのかを見てみたかったから。
  3. また、アメリカの教材を受けて日本におけるSimCity利用についてどう行った形の物が望ましいかということを検証するため。
 これは都市の動的なシミュレーションモデルを利用したまちづくり・地域教育への発展をも視野に入れています。
というような理由からであり、研究会の活動目的にも添うような物なので活動に加えて翻訳するようにしました。また、研究会は大学生・社会人への教育利用を目的としていますが、活動の幅が広まれば、一般教育への利用も視野に入れていきたいと思っております。その為にSimCityを多くの人にやってもらうのも目的となります。

 アホな学生ばかりがやったので所々おかしいところがあるかもしれませんが、何かおかしいところがありましたらご連絡いただければと思います。


Last Update:2003/8/23


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