[#021]
 SimCityの公園の秘密!?
(02/09/06)
 SimCityはシリーズを追う事に他の建物と同じく種類を増やしてきたが、ではSimCityの公園がなぜ今の数になったかをちょっと考えてみることにします。

 まずはSimCityの公園の変遷を見てみよう。
 
シリーズ 公園の種類 グラフィック サイズ お値段 備考
SimCity
classic
公園
(or噴水)
1×1
(1acre)
$10 ランダムで噴水に変わる(SFC版は桜)。SFCでは公園というより木のデザインでイメージ的には街路樹か。
大公園
(SFCのみ)
3×3
(9acre)
$100 SFC版のみ登場するボーナス建物。公園の2倍の効果があるらしい。
SimCity
2000
小公園 1×1
(1acre)
$20 ごく普通の街区レベルの小規模公園。なおアメリカでは小さな公園でもバスケットコートがある
大公園 3×3
(9acre)
$150 近隣公園に相当すると思われる。面積は小公園の9倍だがお値段は7.5倍
動物園 4×4
(16acre)
$3000 市立の動物園。アメリカの動物園は体感を見せ方にこだわっているらしい。お土産もグッズから専門書まで売っているのが普通。
マリーナ 3×3
(9acre)
$1000 水際にしか建てられない。新たな要素だがアメリカレジャーの一つ。風のあるカリフォルニアやシカゴではマリーナが結構ある。
SimCity
3000
小さな公園 1×1
(1acre)
§100 小規模公園的なサイズ。他にもハーモス・フレサス公園などがあるが普通では出てこない(下のコラム参照)。
噴水 小公園とは微妙に効果が異なる。最近はこういった基本的な形ではない凝った噴水が多くなってきている。
2×2
(4acre)
§500 池を主体とした公園。清掃が大変なので、ほったらかしにしておくと誰も近寄らないところになる。
運動場
(Playground)
学校の運動場ではなく、遊び場公園(プレイグラウンド)を指す。自然を利用した遊具など置いてあるところもある。
大きな公園 3×3
(9acre)
§1000 2000と異なり、面積が9倍だがお値段は10倍。近隣公園サイズ。
野球場 4×4
(16acre)
§2500 建物セットを欧風かアジア風に変えるとサッカー場になる。
動物園 4×4
(16acre)
§5000 市立の動物園。場所によっては個人経営のサファリパークも結構ある。NYセントラルパーク内にあるものは5.5エーカーと小さい。
マリーナ 3×3
(9acre)
§3000 水上(浅瀬)にしか建てられない。アメリカは船自体が安いため(中古も多い)、一般人でも船を買うことが出来る。
間欠泉公園 5×5
(25acre)
§10000 間欠泉のある公園。汚染があると利用者が増えない。間欠泉といえばイエローストーン国立公園のものが有名
カントリー
   クラブ
5×5
(25acre)
§25000 ゴルフコース。アメリカでは郊外の楽しみといえばゴルフ。というかゴルフか公園ぐらいしかない所も結構あるようだ。
 
一筋縄では行かない公園達
 SimCity3000には「すべての建物を建てる」裏技を使わないと出てこない公園がある。それがハーモス・フレサス公園(Parque Hermosas Flores)、エア・フレスコ公園(Parque Aire Fresco)、見晴台(Gazebo)である(区画内に自動で「見晴台」という公園が出来るが、これとは異なるものである)。建設費は小公園と同じ§100で、調査ツールで見ても扱いも小公園と同じ。他にもあるかは知らないですが、あったら教えてください。
 ちなみに前者二つはスペイン語で書かれているが(アメリカではスペイン語もよく話される)、この訳で正しいのか不明。
洋風・欧風
建物セット時
or
無印3000
ハーモス・フレサス エア・フレスコ 見晴台 見晴台(区画)
アジア風
建物セット時
プチ大仏が
あるんだね
啓発公園 平和通共有公園 希望神社

 また、スペシャルエディションのボーナス建物の中にウィンターワンダーランドという公園もある。これは冬にスケート場になる公園で、秋から冬にかけてトラックが出入りしてスケート場の建設を始める、唯一変化のある公園。お値段は§1500と3×3の公園としては高め。
じい様から公園を紹介される これが普通の状態 冬はスケートリンクに


 とまぁこんな感じで公園にもこだわりを持たせるようになってきた。というより、全体的にこだわりを見せるようになってきたというのが正しいかもしれない。他にもテーマパークも公園に該当するんだけど、ここに入れても仕方ないので外しました。
 この流れを見ていると、コンピュータの処理能力のアップから来ていると考えることができる。というのも、SimCity classicの時代からアメリカの公園が生まれ変わったかというとそうでもない。変わったのは青少年非行防止のためのレクリエーションプログラムや環境教育活動が活発になったぐらいではなかろうか。

 とすると、かなりの種類が増えたことになるが、やはり処理能力のアップから、そしてユーザーの多様なグラフィックのニーズへの対応からこうなったと考えるしかない。「だって公園ってこういうものだろ」という思いが大きくなってきても不思議ではない。ま、増えて困る物ではないのでいいといえばいいのだが。


 ではこのデザインのモデルはどこか気になるところだ。
 ニューヨークには(都会だからというのもあるが)高い柵に囲まれた公園ばかりだったから違うだろうし、。そこで例によって英語モードで名前を確認してみるといくつかはいかにも名名前が付いているのがわかる。これは実際にあるような感じがするので調べてみると...
大きな公園 Parque Verde del Caballo(ベルデ・カバロ公園)
スペイン語で「緑の馬公園」中心の銅像からとったと思われる
マリーナ McGavran Marina(マクガーバンのマリーナ)
ここによるとなんとSimCity3000制作スタッフのシニアプロデューサーChristine McGavranから
野球場 Thomas W. MacIntyre Community Ballpark(トーマス W. マクリンタイア記念野球場)
Maclintyreにも見えるが実はMacIntyre(マッキンタイア)の間違いだと思われる。
 
 大公園ことベルデ・カバロ公園は中心に馬の銅像を構えた公園だ。こういった公園はどこにでもあるのかもしれないが、ベルデ・カバロ公園という名前の公園は見あたらない(Parque Verdeならあるけど)。似たような公園としてニューオリンズのジャクソンスクウェア(右写真)がある。柵もあるし。確証はないけど。こういったスタイルの公園設計技法なのだろうか、ちょっとわからない。
 

 マリーナの場合はシャレで作ったようです。シニアプロデューサーぐらいなら個人のマリーナを経営してるとか?
 野球場はまったく誰だかわかりません。


 ・・・・制作者には制作者の意図があるのだろうが、ユーザーにはわかりません。・・・・だから名前が自由に変えられるとか?確かに実際に存在する物の名前を変えることができたら失礼ですもんね。
 

参考文献:「シムシティ3000公式戦略ガイド」、「都市計画概論」、「都市緑地の計画と設計」、「都市緑化計画論」
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